新年のご挨拶
謹賀新年 令和八年 元旦
新年明けましておめでとうございます。
フードリボン代表の宇田悦子です。
昨年も多くのご支援を賜り、心より感謝申し上げます。
2025年は、試行錯誤を重ねながら、繊維素材を社会に届けるための足元を固める一年でした。
想定外の出来事も多く、パイナップルの葉から品質の高い繊維を生み出す挑戦の道のりが決して容易ではないことを、改めて痛感しました。
原料の個体差、気候条件、原料調達、海外では電力不足などのインフラ課題といった現場ならではの壁にも向き合いながら、一歩ずつ前へ進んでまいりました。
その一方で、確かな前進も積み上がっています。
2025年の主な歩み
素材としての可能性の拡大
2019年から開発に取り組み、紡績メーカーや最終製品の作り手の皆様との対話を何度も重ねてまいりました。
その結果、2025年秋に、過去最高品質の繊維を実現することができました。
工程づくりと検証を重ねる中で、次の展開につながる手応えを得ています。
産業分野に向けた開発の前進
自動車等の産業用途を見据えた開発が進み、求められる性能や仕様に向けた検討が具体化してきました。
製品化に向けた取り組みも進めています。
拠点と体制の整備
大宜味村の工場では、沖縄県衣類縫製品工業組合の認定により、かりゆしの縫製認定工場を取得し、ものづくりの基盤を一段強くすることができました。
また、工場見学の受け入れも含め、農業資源活用から始まる「捨てるものがない明日」を目指した取り組みを、学びの機会としても形にしています。
現場で「学ぶ」「体験する」「考える」研修・体験プログラムの整備も進め、学びとものづくりがつながる場としての役割が広がっています。
仲間とネットワークの拡大
困難な局面でも一緒に走ってくれる仲間や、支えてくださる方々とのご縁が深まりました。
改めて、私たちは多くの方のお力によって前へ進めていることを実感しています。
2026年に向けて
2026年は、再現性と安定性をさらに高め、技術と事業の土台をより確かなものにしてまいります。
そして私たちは、沖縄で原料から最終製品までを見据えた一気通貫のものづくりを目指したいと考えています。
ただし、それは一社の力だけで成し遂げられるものではありません。
地域の皆様と連携し、「いちゃりばちょーでーびる(出会えば皆きょうだい)」の精神で、できることを少しずつ持ち寄り、分け合い、共有しながら、みんなでつくり上げていきたいと思っています。
昨年、「はじめの一輪の花が咲くまでが目前です」とお伝えしました。
2026年は、己を知り、確かな足元を踏み固めることがまず必要だと思い直しています。
花を咲かせたいならば、土づくりをしないといけない。
その土がまだ十分ではなかったと言わざるを得ませんが、この一年で土をひっくり返し、表面的なことだけでなく深部の状態まで知ることができました。
だからこそ、ここからが正念場だと信じています。
ここまで応援してくださる方がいること。
そして目指す未来に期待してくださる仲間がいる限り、踏ん張り続けます。
「捨てるものがない明日へ」という理念を胸に、技術と事業、そして地域との関係を大切にしながら、一歩ずつ前へ進んでまいります。
本年も変わらぬご支援とご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
2026年が皆様にとって、健やかで実り多い一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
株式会社フードリボン
代表取締役 宇田悦子



